企業は健康経営銘柄を目指すべき?健康経営のメリット・認定制度・資格・始め方|産業医explorer

企業は健康経営銘柄を目指すべき?健康経営のメリット・認定制度・資格・始め方

記事(全体向け)

2026年8月16日

本記事では、健康経営がどの程度広がっているか、健康経営優良法人2026の参加・認定数、実際に見られる評価項目、対象期間と準備期間、健康経営優良法人2027の申請後までのスケジュール、メリット、認定制度、関連資格、実践手順、KPI、健康情報の扱い、2026年以降の法改正まで、公式資料に基づいて整理します。

銘柄を目指す必要は?

すべての企業が目指す必要はありません。健康経営銘柄は東京証券取引所の上場会社が対象です。

認定は上位500法人だけ?

いいえ。要件を満たした法人が認定され、上位層にホワイト500、ブライト500等の冠が付きます。

2026年の要点

健康経営優良法人2027の申請は2026年8月17日開始。50人未満の事業場のストレスチェック義務化は2028年4月1日です。

健康経営とは

健康経営はどの程度普及している?

数字でみると、健康経営は一部の大企業だけの取り組みから、中小企業を含む全国的な企業施策へ裾野を広げています。健康経営優良法人の初回認定である2017では、大規模法人部門235法人、中小規模法人部門318法人(追加認定後)の計553法人でした。2026では、大規模法人部門3,765法人、中小規模法人部門23,085法人の計26,850法人となり、初回の約49倍です。

指標 2017 2025 2026
大規模法人部門の認定数 235法人 3,400法人 3,765法人
中小規模法人部門の認定数 318法人(追加認定後) 19,796法人 23,085法人
認定総数 553法人 23,196法人 26,850法人

直近1年でも、2025から2026にかけて認定総数は3,654法人、約15.8%増えています。制度参加の入口を見ると、健康経営優良法人2026では、大規模法人部門の健康経営度調査回答数が4,175法人、中小規模法人部門の認定申請数が23,485法人でした。

部門 制度参加を示す公表値 最終認定数 数字の読み方
大規模法人部門 健康経営度調査回答:4,175法人 3,765法人 回答のみで認定申請をしない法人も含まれるため、単純な「取得率」は算出できません。
中小規模法人部門 認定申請:23,485法人 23,085法人 単純比較では約98.3%ですが、公式に公表された合格率ではありません。

なお、健康経営が広がっていることと、すべての企業が健康経営銘柄を目指すべきことは別です。健康経営銘柄は東京証券取引所の上場会社を対象とする選定制度です。非上場企業や中小企業では、まず自社の健康課題に合った取り組みを優先し、必要に応じて健康経営優良法人などの認定取得を検討します。

参照:ACTION!健康経営「関連資料(2017認定実績)」経済産業省「健康経営優良法人2025」経済産業省「健康経営優良法人2026」ACTION!健康経営「2026速報値」

健康経営の定義

経済産業省のポータルサイト「ACTION!健康経営」では、健康経営を「従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践すること」と説明しています。従業員の健康を個人任せにせず、企業理念や事業戦略と結び付け、必要な人材・時間・費用を投じ、成果を評価して改善する考え方です。

たとえば、離職が多い企業であれば、単発の健康イベントを増やすだけでなく、長時間労働、管理職のマネジメント、相談体制、休暇の取りやすさ、復職支援などを分析し、離職につながる健康・職場要因へ優先的に対応します。

参照:ACTION!健康経営「健康経営とは」

健康管理・福利厚生・労働安全衛生との違い

概念 主な目的 具体例
健康管理 従業員一人ひとりの健康保持・疾病予防 健康診断、受診勧奨、保健指導、健康相談
福利厚生 生活支援や働きやすさ、従業員満足の向上 休暇制度、食事補助、運動施設の利用補助
労働安全衛生 労働災害・健康障害の防止と法令遵守 産業医・衛生管理者、衛生委員会、作業環境管理
健康経営 健康課題への投資を通じた人と組織の持続的な活性化 経営方針、推進体制、課題分析、施策、KPI、評価・改善

まず法令遵守を土台にする

健康経営は自主的な経営戦略ですが、定期健康診断、医師の意見聴取、産業医・衛生管理者の選任など、法令上必要な安全衛生措置の代わりにはなりません。法定事項を確実に実施したうえで、戦略的な取り組みを上積みします。

健康経営が求められる背景

少子高齢化と人材確保

令和8年版高齢社会白書では、2025年10月1日時点の65歳以上人口は3,622万人、高齢化率は29.4%です。2070年には38.7%、およそ2.6人に1人が65歳以上になると推計されています。

健康課題の多様化

生活習慣病だけでなく、睡眠不足、慢性的なストレス、女性特有の健康課題、がん等の治療と仕事の両立、育児・介護との両立など、企業が向き合う課題は多様です。

人的資本と事業継続

健康状態や働きやすさは、活力、採用・定着、顧客対応、事故や不祥事のリスクに関係します。健康施策を「福利厚生費」だけでなく、人材への投資として説明する必要性が高まっています。

参照:内閣府「令和8年版 高齢社会白書(概要版)」

さらに、2026年4月1日からは、職場における治療と就業の両立を促進するために必要な措置を講じることが、事業主の努力義務となりました。相談体制や就業上の配慮を整えることは、健康経営の実務とも密接に関係します。

参照:厚生労働省「治療と仕事の両立について」

健康経営のメリットと注意点

健康経営による効果は、施策の内容、対象、職場環境、経営層の関与、評価期間によって異なります。以下は「期待される効果」であり、取り組めば自動的に同じ成果が出るという意味ではありません。

従業員に期待できること

病気の予防・早期対応、相談しやすさ、治療や家庭生活との両立、働きがい、心理的安全性の向上などが期待できます。

企業に期待できること

欠勤やプレゼンティーイズムへの対応、採用・定着、組織の活性化、過重労働やメンタルヘルス不調等のリスク管理に役立ちます。

社外への説明に使えること

施策と成果を適切に開示し、認定制度を活用することで、求職者、取引先、金融機関などに取り組みを説明しやすくなります。

参照:ACTION!健康経営「健康経営とは」

健康経営の評価・認定制度

健康経営優良法人認定制度

健康経営優良法人認定制度は、優良な健康経営を実践する法人を「見える化」する制度です。「大規模法人部門」と「中小規模法人部門」があり、認定要件を満たした法人が日本健康会議により認定されます。

「各部門の上位500法人だけが認定される」という理解は誤りです。上位500法人等に付く名称が、ホワイト500、ブライト500、ネクストブライト1000です。

部門 通常の認定 上位区分
大規模法人部門 認定要件を満たした法人が認定 上位500法人に「ホワイト500」
中小規模法人部門 認定要件を満たした法人が認定 上位500法人に「ブライト500」、上位501~1500位に「ネクストブライト1000」

健康経営優良法人2026では、大規模法人部門3,765法人、中小規模法人部門23,085法人が認定されました。認定は年度単位で行われます。

参照:経済産業省「健康経営優良法人2026 認定法人が決定」経済産業省「健康経営優良法人認定制度」

実際には何が見られる?2026サンプル調査票から読む評価ポイント

健康経営優良法人の申請書・健康経営度調査票は、単なる取り組み紹介ではありません。通常認定では認定要件への適合を確認し、ホワイト500、ブライト500、ネクストブライト1000等では、追加要件や相対評価にも用いられます。以下は、公式の健康経営優良法人2026サンプルを、著作権に配慮して要点のみ整理したものです。

対象 サンプルから確認できる主な評価構造
大規模法人部門の通常認定 「必須」を全て満たし、制度・施策実行の選択17項目のうち14項目以上を満たす必要があります。経営方針、推進体制、保険者・産業保健職との連携、具体的計画、健診・ストレスチェック、教育、働き方、治療との両立、女性・高年齢者、食事・運動、長時間労働、メンタルヘルス、感染症、喫煙、効果検証、法令遵守などが確認対象です。
中小規模法人部門の通常認定 健康宣言と経営者自身の健診、担当者、具体的計画、受動喫煙対策、評価・改善、法令遵守等の必須要件に加え、選択17項目を3群に分け、①~③から2項目以上、④~⑩から2項目以上、⑪~⑰から4項目以上、計8項目以上を満たします。
中小規模法人部門の小規模事業者向け特例 対象となる小規模事業者は、同じ3群から各2項目以上、計6項目以上という特例要件です。対象判定は法人格・業種・常時使用する従業員数等によります。
ホワイト500 通常の大規模法人認定要件に加え、方針の浸透、従業員パフォーマンス指標・測定方法の開示、健康経営の普及、経営レベルの会議での議題・決定、評価結果の一括開示への同意等の追加要件があります。上位500法人に付される冠です。
ブライト500・ネクストブライト1000 通常要件に加え、選択17項目のうち16項目以上が必要です。ブライト500申請法人はQ33~41への回答が必須で、経営者・役員の関与20、組織への浸透10、PDCA35、健康風土の把握20、自社からの発信10、外部依頼による発信5のウェイトで相対評価されます。上位501~1500位がネクストブライト1000です。

申請内容を裏付ける資料の整備も重要です。大規模法人部門・中小規模法人部門の2026サンプルはいずれも、回答・申請内容を説明できる資料を申請期間最終日から2年間保存し、事務局等から求められた場合は1週間以内に提出するよう示しています。健康宣言、経営者健診、担当者任命、推進計画、研修資料、請求書・領収書、周知メール、会議記録、制度文書、実施写真、評価報告などを、回答項目とひも付けて保存すると確認に対応しやすくなります。

参照:健康経営優良法人2026 大規模法人部門サンプル(PDF)健康経営優良法人2026 中小規模法人部門サンプル(PDF)

どの期間が見られる?準備期間と健康経営優良法人2027の申請日程

評価対象は「申請時点の制度の有無」だけではありません。施策を実施した期間、前年度の参加率・健康指標、複数年の推移、効果検証、申請日時点の運用状況など、設問ごとに異なる時点・期間が確認されます。

資料 原則的な回答対象期間 実務上の読み方
大規模法人部門・2026サンプル 特段の指定がなければ2024年4月1日から調査回答日まで。2024年度の実績を尋ねる設問は原則2024年4月~2025年3月。 参加率・健康指標等は年度実績を求める設問があり、一部では2022~2024年度の推移や、回答時点の状況も確認されます。
中小規模法人部門・2026サンプル 特段の指定がなければ2024年4月1日から申請日まで。申請日時点で未実施の予定は審査対象外。 健診等は2024年度または指定された2025年度の期間、経営者健診は2024年4月1日以降など、設問別の指示に従います。
健康経営優良法人2027 2027の正式な調査票・認定要件に記載された期間が優先。 2026年8月16日時点では、申請日程・料金は公表済みですが、申請ページの一部要件資料は「昨年度のもの」と表示されています。正式公開後に必ず差し替えて確認します。

準備期間は3~12か月が実務上の目安

制度上の一律の最低期間ではありません。法令対応とデータが概ね整っている企業でも3~6か月、体制づくりから始める企業では6~12か月が初回申請の実務上の目安です。ホワイト500・ブライト500等や複数年KPIを目指す場合は、少なくとも1年度以上の運用を見込む方が安全です。
時期の目安 準備内容
申請前年の4月~3月 経営方針と推進計画を定め、健診、受診勧奨、ストレスチェック、教育、働き方、運動・食事、メンタルヘルス等の施策を実施。対象者・参加者・結果を記録し、証憑を保存します。
申請年の4月~6月 前年度データを集計し、課題・KGI・KPI・効果を確認。経営会議等で評価し、次年度計画を修正します。
申請年の7月~8月前半 前年サンプルでギャップを点検し、不足する社内規程、周知、会議記録、情報開示を整えます。中小規模法人は健康宣言事業への参加状況も確認します。
受付開始後 当年度の正式調査票・認定要件・FAQへ差し替え、回答と証憑を照合します。締切直前ではなく、社内承認とアップロード確認の時間を確保します。

健康経営優良法人2027の確定済み日程は次のとおりです。大規模法人部門の認定申請料は税込88,000円、中小規模法人部門は税込16,500円です。大規模法人部門は調査回答のみで認定申請をしない場合、認定申請料はかからず、フィードバックのみが提供されます。

時期 公式に公表されている予定 実務上の注意
申請前 新規ID発行は開始済み。既存IDがある法人は再発行不要。 初回申請法人は担当者自身がIDを取得します。代理でのID取得・申請は認められていません。
2026年8月17日 大規模法人部門・中小規模法人部門とも申請受付開始。 専用サイトから当年度調査票・申請書を取得し、前年サンプルとの差分を確認します。
2026年10月8日 大規模法人部門の新規ID発行期限。 申請締切の前日です。新規法人は早めに取得します。
2026年10月9日 17時 大規模法人部門の申請締切。 アップロード完了を画面で確認し、提出ファイルを保存します。
2026年10月15日 中小規模法人部門の新規ID発行期限。 健康宣言事業への参加を申請前に済ませます。
2026年10月16日 17時 中小規模法人部門の申請締切。 回答と保存資料を最終照合します。
2026年11月上旬ごろ 請求書送付。 請求先と社内支払手続きを事前に確認します。
2026年12月31日 申請料の振込期限。 未払いを防ぐため、請求書到着後に早めに処理します。
申請締切後~2027年2月下旬ごろ 審査・確認(公式ページは審査開始日を個別に明記していません) 照会や資料提出依頼に対応できるよう、申請担当者と証憑保管場所を固定します。
2027年2月下旬ごろ 内定。 公式発表前の社外発信は、事務局の案内に従います。
2027年3月 健康経営優良法人の発表。 認定後も翌年度に向けて施策と証憑の記録を継続します。
2027年4月中旬ごろ 中小規模法人部門の評価結果送付。 公式ページでは「評価結果送付」とされていますが、取り組み内容のフィードバックはブライト500申請法人のみです。大規模法人部門は認定後にフィードバックが提供され、送付時期は明記されていません。

申請日程と評価対象期間を混同しない

8~10月は「書類を作る期間」ではなく、前年から積み上げた取り組みを当年度様式に整理して提出する期間と考えるのが安全です。また、2027の正式様式が公開された後は、本記事中の2026サンプルに基づく項目・期間より、当年度資料を優先してください。

参照:ACTION!健康経営「大規模法人部門の申請」ACTION!健康経営「中小規模法人部門の申請」ACTION!健康経営「新規IDの取得」2026大規模サンプル(PDF)2026中小規模サンプル(PDF)

健康経営銘柄を目指す必要はある?

結論からいうと、すべての企業が健康経営銘柄を目指す必要はありません。健康経営銘柄は、経済産業省と東京証券取引所が、東京証券取引所の上場会社の中から健康経営に優れた企業を選定・紹介する制度です。健康経営銘柄2026では44社が選定されました。

上場企業が投資家との対話や人的資本情報の開示を強化する目的で目指す意義はあります。一方、非上場企業や多くの中小企業は対象外であり、認定取得の有無にかかわらず、自社の健康課題に合った健康経営を実践することが先です。選定基準や財務要件は年度ごとに見直されるため、当年度の健康経営度調査、選定基準、FAQを確認します。

参照:経済産業省「健康経営銘柄」

東京都の健康企業宣言:銀の認定・金の認定

東京都の制度では、公式案内上「東京都に所在している医療保険者(協会けんぽ東京支部、健康保険組合等)に加入している企業」が参加できます。銀の認定は各保険者、金の認定は健康企業宣言東京推進協議会が行います。全国共通の健康経営優良法人とは別の制度です。

STEP1では、「100%健診実施」「健診結果活用」「特定保健指導活用」「健康づくり環境整備」「禁煙」の5項目を必須とし、食、運動、心の健康、性差に応じた健康課題、睡眠、歯・口腔、飲酒から選択して取り組みます。宣言から6か月以上取り組み、採点結果が80点以上となれば銀の認定を申請できます。

STEP2では、健診・重症化予防、健康管理・安全衛生活動、メンタルヘルス対策、過重労働防止、感染症予防、健康経営の6領域に取り組みます。宣言から6か月以上取り組み、80点以上となれば金の認定を申請できます。

参照:協会けんぽ東京支部「健康優良企業認定について」

健康経営に資格は必要?関連する資格・認定研修と取得方法

健康経営を始めるための共通の必須資格はない

企業が健康経営を始めたり、健康経営優良法人へ申請したりするために、全社共通で必須となる資格はありません。経営者、人事・総務担当者、健康管理担当者が中心となり、必要に応じて産業医、保健師、看護師、衛生管理者、社会保険労務士、健康保険者等と連携します。

一方、法令上の産業保健体制には、事業場の規模・業種に応じた選任要件があります。民間の認定研修と、法定資格・法定選任を混同しないことが重要です。

名称 向いている人 取得・受験の概要
健康経営アドバイザー 経営者、人事・総務、健康管理担当者、初めて体系的に学ぶ人 東京商工会議所の認定研修。受講資格なし。動画・テキストで学び、IBT10問中7問以上で認定。受講料8,800円、認定期間2年。
健康経営エキスパートアドバイザー 中小企業への課題診断、改善提案、実践支援を行いたい人 健康経営アドバイザー認定に加え、所定資格または概ね1年以上の関連実務が必要。知識確認テスト、ワークショップ、後日の効果測定を経て認定。
メンタルヘルス・マネジメント検定 経営幹部、人事労務、管理職、一般従業員 Ⅰ種(マスター)、Ⅱ種(ラインケア)、Ⅲ種(セルフケア)。学歴・年齢等の受験制限なし。
衛生管理者等 法定の安全衛生実務を担う人 健康経営の民間認定ではなく、労働安全衛生法に基づく資格・選任制度。事業場の規模・業種に応じて確認。

健康経営アドバイザーの取得方法

1

申し込みと支払い

受験者用サイトで登録し、受講料8,800円(税込)を支払います。申込資格の制限はなく、随時申し込めます。
2

動画とテキストで学ぶ

マイページで動画を視聴し、送付されるテキストを使って、健康経営の背景、推進体制、課題把握、施策、評価等を学びます。
3

効果測定を受ける

動画視聴後、インターネット上のIBT(4肢択一式10問)を受験します。10問中7問以上で合格し、マイページに表示された利用可能期間内は再受験できます。
4

認定証を取得し、更新する

合格後は認定証PDFをマイページから出力できます。認定期間は2年間で、継続する場合は更新研修を受講します。

参照:CBT-Solutions「健康経営アドバイザー」東京商工会議所「健康経営アドバイザー」

健康経営エキスパートアドバイザーの取得方法

申込時点で健康経営アドバイザーの認定を受け、所定の資格を保有するか、健康・医療・保健、経営、人事労務、健康経営の実務に概ね1年以上携わっていることが必要です。

  • 知識確認テスト:CBT多肢選択式50問・90分、80点以上で合格
  • 受験料:テキスト付き7,700円、テキストなし5,500円(税込)
  • ワークショップ:Zoomによる1日研修、受講料22,000円(税込)
  • 認定:ワークショップ後の効果測定(後日提出課題)で80点以上となると認定
  • 認定期間:2年間。更新制度あり

2026年度の知識確認テストは、申込期間が2026年7月1日~8月13日、受験期間が8月14日~8月27日です。次回以降の日程は公式案内で確認してください。

参照:CBT-Solutions「健康経営エキスパートアドバイザー研修」東京商工会議所「ワークショップ研修要綱」東京商工会議所「健康経営エキスパートアドバイザー」

メンタルヘルス・マネジメント検定

職場のメンタルヘルス対策を体系的に学ぶ検定です。Ⅰ種は人事労務管理スタッフ・経営幹部向け、Ⅱ種は管理職向けのラインケア、Ⅲ種は一般従業員向けのセルフケアです。

コース 主な対象・目的 2026年度受験料
Ⅰ種(マスターコース) 人事労務管理スタッフ・経営幹部/全社的な施策の企画・推進 11,550円
Ⅱ種(ラインケアコース) 管理職/部下への対応、職場環境改善、相談対応 7,480円
Ⅲ種(セルフケアコース) 一般従業員/自らのストレスへの気付きと対処 5,280円

2026年度の次回公開試験

第41回公開試験は2026年11月1日(日)です。一般受付は9月4日(金)~9月17日(木)。日程・会場・締切は変更の可能性があるため、申込時に公式受験要項を確認してください。

参照:メンタルヘルス・マネジメント検定「2026年度受験要項」

どれを選ぶべき?

  • 自社で健康経営を始めたい:健康経営アドバイザーで全体像を学ぶ。
  • 外部支援や高度な課題診断を行いたい:要件を満たしたうえでエキスパートアドバイザーを検討する。
  • 管理職のラインケアを強化したい:メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅱ種が使いやすい。
  • 法定の安全衛生管理を担う:事業場の業種・規模に応じ、衛生管理者や衛生推進者等の要件を確認する。

健康経営の始め方:実践の6ステップ

健康経営は、大きな予算や認定取得から始める必要はありません。法令上の土台を整え、自社の優先課題を絞り、小さく実行して改善することが重要です。

1

経営課題と目的を明確にする

「健康になってほしい」だけでなく、離職の抑制、休職の予防、現場事故の低減、採用力、治療と仕事の両立など、自社の経営課題と結び付けます。経営者が短い方針として社内外へ示します。
2

法令遵守と推進体制を点検する

健康診断、医師の意見聴取、長時間労働者への対応、ストレスチェック、産業医・衛生管理者、衛生委員会等を事業場単位で確認し、経営責任者、実務担当者、産業保健職、保険者の役割を決めます。
3

データと従業員の声から課題を把握する

健診受診率・有所見、受診勧奨後の受診、ストレスチェックの集団分析、残業、休職、欠勤、離職、年休取得、従業員アンケート等を組み合わせます。個人が特定されない集計を基本にします。
4

戦略マップとKPIを作る

健康投資、施策、参加・行動変容、健康・労務上の成果、経営課題への波及を1枚に整理し、担当者、期限、対象、予算、指標を設定します。
5

優先順位を決めて施策を実行する

影響の大きさ、緊急性、実行可能性から1~3テーマに絞ります。個人の努力を求める施策だけでなく、業務量、職場風土、勤務制度、作業環境を変える施策も組み合わせます。
6

評価し、次の改善につなげる

参加率だけでなく、認知、行動、健康状態、働き方、組織指標の変化を確認します。期待どおりでなければ、対象、周知、実施時間、管理職の関与、施策内容を見直します。

参照:経済産業省「健康投資管理会計ガイドライン」

課題別の施策例

主な課題 施策例 評価例
健診後の未受診・重症化 就業時間内の受診配慮、個別受診勧奨、保健指導、受診状況の確認 要受診者の受診率、未治療者割合、リスク指標
長時間労働・疲労 業務量の見直し、会議削減、勤務間の休息確保、管理職へのアラート 月80時間超人数、平均残業、睡眠・疲労、休職
メンタルヘルス 相談窓口、管理職研修、職場環境改善、復職支援、ハラスメント対策 相談窓口認知率、高ストレス者割合、休職・再休職、職場風土
運動不足・座位時間 短時間体操、歩行企画、階段利用、会議の休憩、職場レイアウト改善 参加率、歩数、座位時間、運動習慣者割合
女性の健康課題 管理職教育、相談先、休暇・勤務配慮、検診情報、職場環境整備 制度認知率、利用しやすさ、欠勤・離職、従業員の声
治療と仕事の両立 相談窓口、主治医・産業医との情報連携、柔軟な勤務、復職・配慮手順 制度認知率、就業継続、復職後定着、本人の納得度

中小企業向け:最初の90日プラン

1~30日:方針と現状をそろえる

経営者が目的を宣言し、健康診断、長時間労働、ストレスチェック、安全衛生体制の法令対応を点検します。加入保険者の健康宣言や支援メニューも確認します。

31~60日:課題を1~2個に絞る

健診・労務・休職データと従業員の声を組み合わせ、影響が大きく、3か月で着手できる課題を選びます。3か月後と1年後のKPIを決めます。

61~90日:小さく実行して報告する

対象、担当、期限を決めて施策を始め、参加しにくい理由も聞きます。経営層へ結果と次の改善案を短く報告します。

健康経営のKPIと効果測定

参加人数だけでは、施策が健康課題や経営課題の改善につながったか判断できません。健康投資から成果までのつながりを戦略マップで整理し、複数段階のKPIを設定します。

段階 指標の例 見るポイント
実施・到達 健診受診率、研修受講率、保健指導利用率、相談窓口認知率 施策が対象者へ届いたか
認知・行動変容 受診行動、運動・睡眠・喫煙行動、管理職の対応、制度利用意向 理解や行動に変化があったか
健康・労務 有所見、ストレス、睡眠、欠勤、休職、長時間労働、労災 心身の状態や労務リスクがどう変化したか
組織・経営 プレゼンティーイズム、ワーク・エンゲージメント、離職、採用、顧客対応 経営課題への波及が見られるか

KPI設定で外せない5つのポイント

  • ベースラインを取る:施策前の値がなければ変化を評価できません。
  • 分母を明確にする:「参加率80%」が全従業員中か、対象者中かを明記します。
  • 短期と中長期を分ける:参加率は数か月、健康状態や離職は複数年で見ます。
  • 数値だけで判断しない:従業員の声、参加しにくい理由、現場の運用負荷も確認します。
  • 少人数集計に注意する:個人が推測される小さな集団は、集計単位や開示方法を見直します。

参照:経済産業省「健康投資管理会計ガイドライン」

まとめ

健康経営とは、従業員等の健康管理を経営的な視点で捉え、戦略的に実践することです。単なる福利厚生や健康イベントではなく、経営方針、推進体制、データに基づく課題把握、施策、KPI、評価・改善までを一貫させることが重要です。

認定制度や資格・認定研修は、取り組みを体系化し、社内外へ説明するうえで役立ちますが、取得そのものを目的にしないことが重要です。まず法令遵守と健康情報の適切な管理を確実にし、自社の優先課題を1~2個に絞って、小さく始め、効果を確認しながら改善しましょう。

健康経営を実務に落とすには、産業医との役割分担も重要です

健診後の措置、長時間労働、メンタルヘルス、職場巡視、治療と仕事の両立など、産業医に相談したい場面は少なくありません。産業医explorerでは、企業が産業医のプロフィールや条件を確認し、契約内容を話し合いながら選任を進められます。

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有機溶剤はたまに使うだけなので特殊健康診断しなくて大丈夫ですよね?

「有機溶剤??うちは有機溶剤は扱ってないです。スプレーですか…

従業員の健康に関する個人情報は外部に漏れている場合がありますが大丈夫ですか?

個人情報には十分な配慮が必要な世の中になっておりますが、従業…

(企業向け)健康診断を受けさせないと罰則があるって本当ですか?

複数の企業から 「従業員の健康診断の取りまとめ方がよくわか…

(企業向け)従業員が休職・復職する際の産業医面談は意味がありますか?

複数の企業で、 ・突然従業員が会社に来なくなって休職すると…

(企業向け)産業医とは一体何者ですか?

企業を訪問する際、産業医って何者ですか?、どんなことをしてく…

産業医explorerを利用するメリットと、登録前によくあるご質問

産業医の選任は、条件を比べ、契約前に話し合うこと…